コールデコット賞とは？―コールデコット賞作品のご紹介とともに―

はじめに
コールデコット賞とは？
このブログでのコールデコット賞作品の紹介
このブログでのコールデコットオナー賞作品の紹介
最後に

はじめに

以前の「文字のない絵本」で少しご紹介したコールデコット賞。

erelc.hatenablog.com

絵本の表紙に、このようなメダルが描かれていたり、メダルのシールが貼られていたりするのを目にしたことがあるかと思います。

コールデコット賞とは？

この金メダルがコールデコット賞受賞作品を示す証であり、銀メダルがその次点を意味するコールデコットオナー賞を受賞したという印です。

f:id:erelc:20210331205303p:plain — コールデコットメダル

イギリスのイラストレーターRandolph Caldecottにちなんで名づけられ、アメリカ図書館協会の下部組織、児童図書館協会（ALSC）が毎年選定をしている賞です。

この賞について、『絵本BOOKEND 2019―絵本と絵本研究の現在特集:R.コールデコット賞受賞を楽しむ』の中で、藤本朝巳先生は、アメリカではニューベリー賞と並んで、児童図書に与えられる最も権威のある賞と評し、この賞を受賞することで、その後の絵本作家としての生活の安定も意味するとのことです。

絵本BOOKEND 2019―絵本と絵本研究の現在特集:R.コールデコット賞受賞を楽しむ

発売日: 2019/09/01
メディア: 単行本

Wikipediaによると、授賞基準として、以下の項目が挙げられています。

前年に、アメリカ合衆国で出版された英語の本であること。
イラストレーションはオリジナル作品であること。
イラストレーターはアメリカ合衆国の市民もしくは居住者であること。
使用された芸術的な技法、ストーリーの絵画的な解釈、ストーリーとイラストの様式の適合性、プロット・テーマ・キャラクター・雰囲気や情報などの絵を通じた描写、子どもの読者を想定した表現であることが評価される。
本が子どもの理解力、能力、鑑賞力に敬意を払っていること。
本がそれ自身で完結しており、楽しむために他のメディアに依存していないこと。

また、リーパーすみ子先生は、『アメリカの小学校では絵本で英語を教えている』の中で、イラストに比重が置かれて選定されることを述べています。もちろん、絵本はイラストと文章が一体となって織り成す作品であることを考えれば、文章や内容の秀逸さも前提となっていることでしょう。

アメリカの小学校では絵本で英語を教えている　英語が話せない子どものための英語習得プログラム　ガイデッド・リーディング編

作者:リーパー・すみ子
発売日: 2011/01/29
メディア: 単行本

日本で特に有名なコールデコット賞（オナー賞含む）を受賞した作品は、1964年にオナー賞を受賞したLeo LionniさんによるSwimmy（YL 1.5-2.5, 300語）や、1971年にオナー賞を受賞したArnold LobelさんのFrog and Toad Are Friends（YL 1.2-1.6, 2,256語）あたりでしょうか。