こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、戦禍を被るシリアで活動する男性を描いたノンフィクションの絵本をご紹介したいと思います。2021年のコールデコットオナー賞に輝いた名作です。
本について
今回ご紹介するのは、Irene Lathamさんと、Karim Shamsi-Bashaさんが文を、ニューヨークを拠点に活動されている日本人のYuko Shimizu(清水裕子)さんがイラストを手掛けた絵本、『The Cat Man of Aleppo』です。2021年にコールデコットオナー賞(その年の絵本の優秀賞)を受賞した絵本です。
YL 1.6~2.0程度、語数は682語 Lexile: AD610Lの本です。
本の内容のご紹介
この絵本は、2011年から続くシリア内戦の戦禍において活動を続けるMohammad Alaa Aljaleelさんを描いたノンフィクションです。
Alaaさんは、シリアの町のアレッポが大好きです。狭い小道も好きだし、道を覆うようにして広がるマーケットも好きだし、何より、アレッポの人々がとても好きです。
シリア内戦が続き、人々が難民として他国に逃げ出す中で、Alaaさんは救急車のドライバーとして負傷した人たちを助ける仕事を続けています。
しかし、辺りを見渡せば内戦による瓦礫に覆われた光景。以前の、活気に溢れた、明るいアレッポを思い、寂しく感じます。交流のあった人たちの姿も、今はアレッポにはありません…。
そんな思いを抱えるAlaaさんは、飼い主が避難する際に置いていかれ、独りぼっちで徘徊する猫たちに対して親近感を覚えるようになります。
そして、所持しているわずかなお金で買った食料を猫に与える生活が始まり、そのことが次第にSNSを通して世界中に知られ、多くの寄付につながってゆくことに…。
シリアのアレッポで起こった実話を、絵本を通して知りたい方にお薦めの一冊です。
日本人がイラストを描き、アメリカで権威ある賞を受賞したことも嬉しいですね!
気になれば、ぜひチェックしてみてくださいね!
最後に
今回は2021年にコールデコットオナー賞に輝いた作品を紹介させていただきました。2022年になった今年、またどんな絵本に出会えるのか、楽しみに待ちたいと思います。
ちなみに、この本には、『アレッポのキャットマン』の邦題で和訳も刊行されていますので、合わせてご紹介させていただきます。
また、Alaaさんについて取り上げたBBC Newsの動画を以下から見ることもできます。
このブログでは、コールデコット賞とは何かに関する記事の他、過去の記事でいくつかコールデコット賞や、コールデコットオナー賞受賞作品を紹介させていただいております。もしご関心があれば、以下の記事から、過去のコールデコット賞作品に関する記事をすべてチェックできますので、ぜひどうぞ。
この本以外でも、ノンフィクションの絵本をご紹介したことがあります。
ノンフィクションがお好きであれば、ぜひ、以下の記事もご参照くださると嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬