こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、ロシアの民話をUri Shulevitzさんのイラストとともに楽しめる絵本をご紹介したいと思います。今から50年以上も前の1969年にコールデコット賞を受賞した名作です。
本について
今回ご紹介するのは、Arthur Ransomさんがロシア民話をリトールド(簡略化)して、日本でもファンの多いUri Shulevitzさんがイラストを手掛けた絵本、『The Fool of the World and the Flying Ship: A Russian Tale』です。1969年にコールデコット賞(その年の絵本の最優秀賞)を受賞した絵本です。表紙に金メダルが輝いていますね。
YL 3.0~3.5程度、語数は3,696語 Lexile: 360Lの本です。
本の内容のご紹介
あるところに、百姓として生活を営む夫婦がいました。
この夫婦には3人の息子がいました。この3人のうち2人の息子はとっても賢くて、人から騙されたりすることはありませんでした。
問題は1人の息子。"The Fool of the World"(世界一のばか)と呼ばれるこの息子は、そこら辺の子どもよりも世間知らず。
一応、食事にはありつけているものの、お父さんもお母さんも2人の息子には思い入れがありますが、この"Fool"(ばか息子)のことは忘れてしまうこともしばしば…。
そんなある日のこと。この国の皇帝が、王女である娘を、空を飛ぶ船を持ってきた者と結婚させるという通知を出しました。
2人の賢い息子たちは、これはチャンスと、空飛ぶ船を造るために出かけることにしました。お母さんは美味しいものをたくさん持たせてあげて、2人が見えなくなるまで見送ります。
その後、ばか息子も王女との結婚のために出かけることに。お母さんは残り物の食事を詰めて、玄関先で見送ります。
出発してしばらくした時です。ある不思議な老人と出会います。
成り行き上、一緒に食事をとることになったばか息子でしたが、荷物からは不思議と、新鮮でおいしい食べ物と飲み物が出てきました…。
さらに、この不思議な老人から空飛ぶ船との出会い方について教えてもらい、その指示通りに動くと、空飛ぶ船がばか息子の前に現れたのです…。
そして、「出会った人を、一緒に空飛ぶ船に乗せるように」という不思議な老人の指示通りに乗せていきます。
何とも個性的で、不思議で、また陽気な人ばかりが乗った空飛ぶ船は、この後、皇帝の住むお城に到着しますが…。
この後の展開は、ぜひご自身でお楽しみくださいね!
ロシアに伝わる、楽しく笑える明るい民話に、数々の賞を受章しているUri Shulevitzさんの、優しくて味わいあるイラストがマッチしています。
気になれば、ぜひチェックしてみてくださいね!
最後に
この本には、『空とぶ船と世界一のばか: ロシアのむかしばなし』の邦題で和訳版も刊行されています。合わせてご紹介させていただきます。
また、このブログでは、コールデコット賞とは何かに関する記事の他、過去の記事でいくつかコールデコット賞や、コールデコットオナー賞受賞作品を紹介させていただいております。もしご関心があれば、以下の記事から、過去のコールデコット賞作品に関する記事をすべてチェックできますので、ぜひどうぞ。
Uri Shulevitzさんのイラスト作品としては、以前にご紹介した以下の記事もあります。よろしければ、合わせてどうぞ!
なお、ロシアのお話の絵本ということでは、以前ご紹介した『Baboushka and the Three Kings』もあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬