こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、いわゆる"Underground Railway"(地下鉄道)の指導者として、アメリカの奴隷解放運動を進めたHarriet Tubmanさんの半生を描いた絵本をご紹介させていただきます。
2007年のコールデコット・オナー賞に加え、2007年のコレッタ・スコット・キング賞(イラストレーター部門)をダブル受賞した名作です。
本について
今回ご紹介する絵本は、Carole Boston Weatherfordさんが文を、Kadir Nelsonさんがイラストを手掛けた絵本、『Moses』です。
2007年のコールデコット・オナー賞と、コレッタ・スコット・キング賞(イラストレーター部門)をダブル受賞した名作です。
YL 3.0~3.5程度 語数は1,424語 Lexile: AD660Lの本です。
本の内容のご紹介
突然ですが、Underground Railway(地下鉄道)という言葉はご存知でしょうか?
Wikipediaには、以下のように説明されています。
- "Underground Railway"(地下鉄道)
- 19世紀アメリカの黒人奴隷たちが、奴隷制が認められていた南部諸州から、奴隷制の廃止されていた北部諸州、ときにはカナダまで亡命することを手助けした奴隷制廃止論者や北部諸州の市民たちの組織。
つまり、奴隷制のない北部の州に向かって、秘密の通過道、乗り物、待ち合わせ場所、隠れ家、そして奴隷制度廃止論者たちによる誘導や補助で構成される「駅」を進むことから、このように名づけられたとのことです。
この"Underground Railway"の指導者として活躍したのが、Harriet Tubmanさん(1822-1913)でした。その功績になぞらえて、「モーセ(Moses)」とも評される方です。
本書では、ある夏、プランテーション主が眠る中、北部のフィラデルフィアへ逃亡する場面から始まっている。
沼地を抜け、森の中で誰にも見つかることがないことを祈って眠り、(誰が本当に助けてくれるのかわからない中)助けを差し伸べてくれる人にも恵まれ、北に向かって進む。
神との対話を行いながら、くじけそうな時、辛い時の心棒にしながら、北部の州に辿り着いたのだった。
しかし、これで終わりではない。南部に残してきた家族を救い出すために、命の危険を顧みずにもう一度南部に向かうのだった…。
私たち人間というのは、人種差別という理不尽で愚かな罪を犯し、その理不尽に立ち向かう先人たちの勇気と行動と犠牲の上で、自由を挟持できていることを改めて感じさせられます。
大人でも(大人だからこそ)じっくり読める内容の絵本で、多くの人に届けばいいなと思える本でした。
気になれば、是非、チェックしてみてくださいね!
最後に
この本には、『ハリエットの道』の邦題で和訳版も刊行されていますので、合わせてご紹介させていただきます!
この本の著者のCarole Boston Weatherfordさんの作品として、以前以下の作品を紹介したことがありますので、合わせてご紹介させていただきます。
この本のイラストレーターのKadir Nelsonさんの作品としては、以下の本をご紹介したことがあります。
また、この絵本は、コールデコット・オナー賞を受賞した絵本ですが、その他にも、コールデコット賞作品の紹介をしたまとめ記事が以下ですので、よろしければ合わせて覗いていただけると嬉しいです。
他のコールデコットオナー賞を受賞した作品の何作品かも合わせてリンクを貼っておきます。
コレッタ・スコット・キング賞については、以下の記事でどんな賞かをご紹介しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬