こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、コールデコットオナー賞、ニューベリー賞、コレッタ・スコット・キング等、2015年から2016年の権威ある
賞を総なめにした話題の英語絵本をご紹介させていただきます。
本について
今回ご紹介する絵本は、Matt de la Peñaさんが文を、Christian Robinsonさんがイラストを手掛けた、『Last Stop on Market Street』です。
2016年のコールデコットオナー賞、コレッタ・スコット・キング賞(イラストレーター部門)を受賞した作品です。
YL 2.0~2.5程度 語数は730語 Lexile: AD610Lの本です。
本の内容のご紹介
教会でお祈りを済ませた黒人の少年CJが勢いよく協会から出てきました。
外は雨が降り出し、おばあちゃんの傘に入って一緒にバス停に向かいます。
CJは、「何で雨の中、濡れてバスを待たなければならないの?」とか、
バスで待っている時に、車で帰る友達を見て、「何でうちには車がないの?」とか、
愚痴をこぼします。
でも、おばあちゃんがとっても素敵な言葉を返してあげて、この本を素敵な
ものにしてくれます。
バスに乗ると、ギターを持った人や、蝶々が入ったビンを抱えた老婦や、
タトゥーがたくさん入った男の人が乗っています。
そこに、盲導犬を連れた目の不自由な人も乗ってきました。
世の中にはいろいろなタイプの人がいるという事実に、誰にもフェアに
接するおばあちゃんの姿がとても印象的に、凛とした姿で描かれています。
そして下りた先の町は、どんよりと暗く、壁には落書きがあって、
壊れたままのドアも目立ちます…。
そんな町を通って2人が向かったのは…。
決して豊かではない生活を送っていることが想像されるこの2人の黒人の家族
の言葉は、二重否定等、非標準的な英語で表現されています。
確かに、読み聞かせの際には、確かに「裕福でない黒人の話す英語」という
ものに先入観や固定観念を植え付けてしまわないような配慮が大人に求められる
と思います。
しかし、メインとして描かれているのは、実際にある生活の現実であり、
どのような状況であっても物事を前向きに捉え、誰にもフェアに接する
ことのできる素敵なおばあちゃんと、その影響を受けて育っていく子ども
という構図です。
何度も読み返したくなるような素敵な絵本です。
もし気になれば、是非、チェックしてみてくださいね!
最後に
この本には、『おばあちゃんと バスにのって』の邦題で和訳版も刊行されていますので、合わせてご紹介させていただきます。
この絵本は、コールデコット・オナー賞を受賞した絵本ですが、その他にも、コールデコット賞作品の紹介をしたまとめ記事が以下ですので、よろしければ合わせて覗いていただけると嬉しいです。
他のコールデコット賞作品の何作品かも合わせてリンクを貼っておきます。
アフリカ系アメリカ人の経験を反映した、アフリカ系アメリカ人による本に対して授与されるコレッタ・スコット・キング賞については、「コレッタ・スコット・キング賞とは?」の記事をご参照ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬