こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、道端で見つけたクレソンを摘むことを恥じていた、貧しい移民家庭の子どもが自分のルーツに気づく様を描いた自伝的絵本をご紹介したいと思います。2021年に刊行され、2022年のコールデコット賞(その年の最優秀絵本に贈られる賞)に輝いた作品です。
本について
今回ご紹介する絵本は、Andrea Wangさんが文を、Jason Chinさんがイラストを手掛けた絵本、『Watercress』です。2021年に刊行されたばかりで、2022年にコールデコット賞に輝いた名作で、表紙には数々の賞を受賞した証として、メダルが輝いています。
YL 0.4~0.6程度 語数は231語 Lexile: AD610Lの本です。
本の内容のご紹介
トウモロコシ畑が一面に広がるオハイオ州がこの本の舞台。
表紙に描かれている少女は、中国から移民としてアメリカに渡り、倹しく暮らしている4人家族の子ども。著者のAndrea Wangさんの幼き頃である。
Wangさんの実体験をもとに、一人称で語られた自伝的絵本である。
オハイオ州を古い車でドライブしていた少女の両親は、道路脇の溝にクレソンが自生しているのを見つけ、車を止めた。
そして、古びた紙袋と錆びたハサミを手に、家族全員で泥の中に入り、クレソンを採取する。
泥やカタツムリがついたクレソンを採取するのは、とても恥ずかしい。
車が通るたびに、顔を見られないように頭をかがめる。
クレソンは、家に帰ると食卓に上がる。
もちろん、泥やカタツムリはもうついていない。
でも、一切、箸をつける気にはならない。
つぎはぎのついた古い服も、道端に破棄されていた家具を持ち帰るのも、道端の溝から採るクレソンも、うんざり。
そんな少女の姿を見て、お母さんは、一枚の家族写真を取り出した。
そして、この写真が自分のルーツに気づき、自信を持つきっかけとなった…。
その写真とは何だったのかは、是非、ご自身で確かめてみてくださいね!
最後に
この絵本のイラストを手掛けたJason Chinさんの作品として、以下の絵本もありますので合わせてご紹介させていただきます。
このブログでは、コールデコット賞とは何かに関する記事の他、過去の記事でいくつかコールデコット賞や、コールデコットオナー賞受賞作品を紹介させていただいております。もしご関心があれば、以下の記事から、過去のコールデコット賞作品に関する記事をすべてチェックできますので、ぜひどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬