タドキストによる英語多読ブログ

1000万語以上の多読経験をもとに、多読の魅力を発信するブログです!本には魅力がいっぱい。英語の本を通して、人生を深く、豊かなものに。

弟か妹ができる子どもの心情をよく表したBirninghamさんの絵本『There's Going to Be a Baby』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、弟か妹ができる子どもの心情をよく表した、温かくて素敵な絵本をご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介させていただくのは、『Edwardo the Horriblest Boy in the Whole Wide World』や、『Granpa』や『Mr. Gumpy's Outing』など、数多くの名作を世に残されて2019年に亡くなられた、日本でもファンの多い、イギリス人児童作家・イラストレーターのJohn Burninghamさんが文を手掛け、Helen Oxenburyさんがイラストを手掛けられた絵本、『There's Going to Be a Baby』です。

 

YL 1.0~1.4程度 語数は406語   Lexile: AD480Lです。

 

本の内容のご紹介

この表紙に描かれている男の子の心情がよく描かれた絵本です。

 

ある日、この男の子は、お母さんから、"There's going to be a baby."(赤ちゃんが生まれるわよ)と伝えられます。

 

この日以来、男の子の関心は、赤ちゃんのことばかり

いつ生まれるの?」とか、「赤ちゃんの名前は何にするの?」とか、「その赤ちゃんは大きくなったら何をするようになるの?」とか…。

 

お母さんは、そんな男の子の質問に丁寧に答えます。

そうね、大きくなったらレストランで働くようになるかもね」とか、「ひょっとして画家になるかもね」とか、「庭師になるかな」とか。

 

男の子は、そんな赤ちゃんの姿を、想像しては、あれこれ考えて過ごします。

 

そして、出産の日…。

 

自分に弟か妹ができるワクワク、ソワソワ、それにちょっとの不安…

物事がわかり始めた子どもが、お兄ちゃんになる心情をよく表した本です

イラストや色遣いが優しく、おしゃれな印象も受ける絵本です。

 

気になれば、チェックしてみてくださいね!

 

最後に

このブログでは、これまでに英語の絵本を紹介しています。もしご関心がありましたら、ぜひどうぞ。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

アフリカの心が詰まったコールデコットオナー賞受賞のABCブック『Jambo Means Hello』

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、アフリカの思いや心が詰まったABCブックをご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介させていただくのは、Muriel Feelingsさんが文を、Tom Feelingsさんがイラストを手掛けた絵本、『Jambo Means Hello: Swahili Alphabet Book』です。

1975年のコールデコットオナー賞作品です。

 

YL 1.5~2.0程度 語数は669語   Lexile: AD750Lです。

 

本の内容のご紹介

副題に"Swahilli Alphabet Book"とあるように、この本は、アフリカ東部を中心に話されているスワヒリ語のABCブックです。

 

最初のAでは"arusi"というスワヒリ語が紹介され、それは英語では"wedding"を意味することがまず書かれています。そして、太鼓や、ダンスや、たくさんの食べ物でもてなすというアフリカの結婚儀式について紹介されています。

 

次のBでは"father"を意味する"baba"が、子どもに家の作り方や道具の作り方を教えてくれる存在であることとともに紹介されています。

 

このように、A~Zで始まる、スワヒリ語文化で重要な単語27個が、アフリカの心や暮らしを、雰囲気たっぷりに表現したイラストとともに紹介されています

 

アルファベットを身近な単語で学ぶのもいいですが、あまりふれることのない文化を背景にしたABCブックもいいですね。視野を広げられるような本です。

もしご関心があれば、チェックしてみてくださいね!

 

最後に

このブログでは、以前、この本と同じく、コールデコットオナー賞を受賞したABCブックGone Wild: An Endangered Animal Alphabet』や、『Alphabatics』や、『Alphabet City』や、On Market Streetをご紹介したことがありますので、よろしければ、合わせてチェックしてみてくださいね。

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また、このブログでは、他にもコールデコット賞作品を紹介した記事があります。もしご関心がありましたら、合わせてチェックしてみてくださいね♪

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

ご自身の日本語多読体験を日記から分析し、多読の効果に迫った論文、Leung (2002)のご紹介

こんにちは。

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、ご自身の日本語多読体験を日記から分析し、多読の効果に迫った論文であるLeung (2002)をご紹介させていただきます。

 

 

論文のデータ

今回ご紹介するのは、以下の論文です。これまでに170編以上の論文などに引用されている有名な論文の一つです。

Leung, C. Y. (2002). Extensive reading and language learning: A diary study of a beginning learner of Japanese. Reading in a Foreign Language, 14(1), 66-81.

http://www2.hawaii.edu/~readfl/rfl/April2002/leung/leung.pdf

 

論文の内容のご紹介

この論文は、以下を目的としたものです。

  • The purpose of this paper is to explore both the benefits and challenges that one may encounter when engaging in extensive reading as revealed through a learner’s diary study.  (p. 67)

つまり、学習者の日記を通して明らかにされる多読の効果と困難さについて探究することです。

 

そして、この日記を書いたのは、実は著者(Leungさん)ご自身です。

Leungさんは、香港で生まれ、中国語を母語とし、1992年からアメリカやカナダで暮らしている研究者です。

Leungさんが、日本語の多読を自分の意志、ペースに基づいて4カ月間(9週間の第1ステージ+11週間の第2ステージ)行い、学習内容や気になることなどを日記に書き留めました。その日記を、今回の研究資料として用いたということです。

 

この論文では、以下の4点を研究課題にあげています。

  1. Does extensive reading lead to vocabulary acquisition? (多読をすることで語彙習得につながるか)
  2. Does extensive reading promote reading comprehension? (多読をすることで読解力向上につながるか)
  3. Does extensive reading promote positive attitudes toward reading? (多読をすることで読書に対して積極的な姿勢をもつことにつながるか)
  4. What challenges does a beginning foreign language learner face in the extensive reading process and how did the learner deal with these challenges?  (多読をすることでどのような困難に直面し、どのようにその問題に対処したか)(p. 67)

 

この4カ月間の日本語多読で、Leungさんは、32冊、1,260ページ(そのうち、480ページはマンガで、170ページは子ども用の教科書、残りは簡単な児童書)を読みました

また、毎日1時間程度は日本語の学習や読書に当て、週に1回は多読の進捗などについて、先生に報告、相談する機会がありました。

さらに、2ステージ目には、週に1時間程度、Leungさんに日本語学習を支援してくれる方が現れました。

 

4点の研究課題の究明を、主に日記記録をもとに分析し、主要な結論として、以下のような主張をしています。

  • Wendy’s journal entries indicate that extensive reading helped her acquire vocabulary in various ways. First, a large amount of input increased her opportunities to be exposed to words previously learned.  (p. 71)
  • reading extensively also helped Wendy learn vocabulary incidentally.  (p. 72)
  • Data from the journal entries show that Wendy’s reading comprehension gradually improved throughout the course of the study.  (p. 72)
  • An analysis of Wendy’s diary entries indicates that her attitude toward reading Japanese generally became more positive throughout the course of her study.  (p. 73)

つまり、多読をすることで、すでに知っている語彙を補強でき、新しい語彙を学習でき、読解力を高めることができ、読書姿勢もより積極的なものになった、と報告しています。

 

そして、多読をこのように成功させた大きな要因として、自分の関心やレベルに合った本を選べる環境があったことを、以下のように述べています。

  • Through this study, we can see that the key element in the success of extensive reading is having access to a large quantity of reading materials geared to an individual's level of proficiency and interest.  (p. 78)

 

最後に

今回の研究の参加者は、あくまでLeungさんおひとり。また、毎日1時間程度は日本語学習に取り組む熱心さを持った方であり、Leungさんの多読を支援する先生や仲間がいたというのも、大きな成果につながるたいへん重要な要素だと思いました。

 

それでも、これだけ熱心に多読を行い、仲間や先生がいることで、語彙や読解力や読書姿勢まで影響を与えたと報告したこの論文は、多読の大きな可能性を示唆したものだと感じました。

 

ここに書かれていること以上のことを知りたい場合には、是非、論文を読んでみてくださいね。

 

今回は、ご自身の日本語多読体験を日記から分析し、多読の効果に迫った論文であるLeung (2002)のご紹介でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

美しくて、心にじんわり響く、素敵な絵本『Grandad's Prayers of the Earth』のご紹介

こんにちは。

お立ち寄りいただきありがとうございます。

 

今回は、美しくて、心にじんわり響く、素敵な絵本Grandad's Prayers Of The Earth』をご紹介させていただきます。

 

 

 

本について

今回ご紹介するのは、Douglas Woodさんが文を、P.J. Lynchさんがイラストを描き、1999年に刊行された絵本『Grandad's Prayers Of The Earth』です。写実的で美しい自然と、祖父と孫が寄り添うイラストが素敵で、懐かしさを誘いますね

 

YL 2.0~2.5程度で語数は1,006語   です。

  

本の内容のご紹介

 

表紙に描かれている少年の1人称で語られる絵本です。

 

少年が大好きだったおじいちゃん。おじいちゃんと一緒にいる時間は、いつだって、とびっきりのものでした。

2人で森の中へ散歩に行くのは特別な時間。いつも、おじいちゃんにたくさんの質問を投げかけたものでした。

 

ある日、少年はおじいちゃんにお祈り(prayer)について尋ねます

しばらく黙った後、おじいちゃんは、木も、小川も、石も、鳥も、そして人間も、お祈りをしているんだよ、と答えます。

そして、それが心の底から発せられた本当の言葉であれば、お祈りだということや、お祈りというのは他人ではなく、自分自身を変えるためのものであることを、優しく諭してくれました。

 

少年は、何度も反芻しますが、その意味が難しくて理解できませんでした。でも、そんなある日、大好きだった、本当に大好きだったおじいちゃんが亡くなってしまいます…

そして、少年は…。おじいちゃんの言っていたことの真意に、じっくりと気づいてゆく姿が、情感たっぷりに描かれていて、じんわりと心に響いてきます

 

静かで、穏やかで、深くて、温かくて。おじいちゃんの存在そのものが描かれたような、心が洗われるような、本当に素敵な絵本です。

美しく描かれた自然、おじいちゃんの優しい顔など、私たちの幼少時代も思い出させてくれるような絵本でもあります

 

もし気になれば、ぜひ、チェックしてみてくださいね。

 

最後に

この絵本のイラストレーターのP.J. Lynchさんは、When Jessie Came Across the Sea』や、『The Christmas Miracle of Jonathan Toomeyで、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した、偉大な方でいらっしゃいます。

過去に紹介した記事もありますので、よろしければ、合わせてチェックしてみてくださいね!

erelc.hatenablog.com

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Douglas Woodさんによる本は、他にも以下の本をご紹介したことがありますので、ご関心があれば合わせてどうぞ。

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今回は、美しくて、心にじんわり響く、素敵な絵本Grandad's Prayers Of The Earth』をご紹介させていただきました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

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