タドキストによる英語多読ブログ

1000万語以上の多読経験をもとに、多読の魅力を発信するブログです!本には魅力がいっぱい。英語の本を通して、人生を深く、豊かなものに。

読み聞かせをインターアクティブにする英語の絵本2冊のご紹介

こんにちは。

お立ち寄りいただきありがとうございます。

 

以前、このブログでは、聞き手を巻き込みながら、読み聞かせをインターアクティブにする絵本として、Hervé Tulletさんによる『Press Here』をご紹介させていただきました。

erelc.hatenablog.com

 今回も、読み聞かせをしながら、読者を巻き込む、楽しい英語の絵本を2冊ご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介するのは、アメリカの作家、イラストレーターでいらっしゃるChristie Mathesonさんが手がけた、『Touch the Brightest Star』と、『Tap the Magic Tree Board Book』です。

 

表紙に"Turn the page to make a change."と書かれているように、ページに書かれた指示を行ってページをめくると、前のページからの変化を楽しめる仕掛けになっています。

 

 YL 0.4~0.6程度、語数は156語

YL 0.4~0.6程度、語数は118語

 

本の内容のご紹介

Touch the Brightest Star

陽が沈み、今日も魔法の夜が始まります。

一匹のホタルがまだ明るさの残った空を飛び始めました。

 

そして、そのホタルに対して、"Gently press the firefly."と書かれています。

指示に従って、優しく、ホタルを押してみましょう

すると、次のページで、ホタルのお尻が明るく光り始めました

そして、さらに"Press again to light up the sky."と書かれています。

指示に従って、もう一回、ホタルを押してみましょう

すると、次のページでは…。

 

この後、息を吹きかけたり、なでたり、さすったりすることで、魔法の夜を背景にした素敵なお話が進んでゆきます…

 

Tap the Magic Tree Board Book

表紙をめくると、一本の葉っぱが全くない木が描かれています。

そして、その木に対して、"Tap it once."と書かれています。

指示に従って、一度、軽くたたいてみましょう

すると、次のページで、緑の葉っぱが一枚、木の枝に生え始めました

そして、さらに、"Tap again"と書かれています。

指示に従って、もう一回、木を軽くたたいてみましょう

すると、次のページでは…

 

この後、さすったり、揺らしたり、たたいたり、息を吹きかけたりすることで、一本の木を中心とした魔法のお話が進んでゆきます…

 

 

最後に

読み聞かせも、じっくりとお話を味わわせたい時には、しっかりと聞かせたいですよね。でも、聞いている人を巻き込んで、一緒になって楽しむ絵本もいいですよね。

 

今回ご紹介した本は、読み聞かせを活発に、インターアクティブにしたい方にピッタリです。特に、小学校の英語教育やお子さまへの読み聞かせの時に活躍する絵本だと思います。

 

もし気になれば、チェックしてみてくださいね!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

イタリア人大学生を対象にして、多読への熱意と関連する要因に迫った論文、Camiciottoli (2001)のご紹介

こんにちは。

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、イタリア人大学生を対象にして、多読の頻度と姿勢と相関のある要因に迫った研究をご紹介したいと思います。

 

 

論文のデータ

今回ご紹介するのは、以下の論文です。すでに150編以上の論文などで引用されている論文です。

 

Camiciottoli, B. C. (2001). Extensive reading in English: Habits and attitudes of a group of Italian university EFL students. Journal of Research in Reading, 24(2), 135-153.

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/1467-9817.00137

 

論文の内容のご紹介

多読に熱心に取り組む」と聞くと、どんな人のことを思い浮かべますか?

おそらく、毎日のように英語の本を読むだけでなく、英語の本を読むことを楽しんでいる方のことではないでしょうか?

 

もう少し具体的に書くと、多読をする頻度(frequency)と、多読をする時の姿勢や態度(attitude)の点から説明できそうですよね。

 

この論文は、多読の取り組みの熱心さ、具体的には、多読を行う頻度と、多読をする時の姿勢と、関連性の強い要因は何かに関して、アンケート調査を使って迫ったものです。つまり、多読を熱心に取り組む人たちに見られる要素は何か、しっかりした研究手法を使って迫った論文です。

 

この研究の参加者は、イタリアのフィレンツェ大学でビジネスを専攻する182人(男性93人、女性89人)の英語学習者です。

 

アンケートは3部構成で全部で22の質問項目です。その3部の構成は、以下のようになっています。それぞれの質問に対して4段階で回答してもらいました。

  • Part 1:これまでの英語学習経験や、英語圏への滞在経験など、一般的なデータを調査する10項目
  • Part 2どのくらいの頻度で、英語の本や、イタリア語(参加者の母語)の本を読んでいるかを調査する5項目
  • Part 3読書を楽しんでいるか、どのような本を読んでいるかなどを調査する7項目。

 

このアンケートで得られたデータを使い、頻度や姿勢と、相関のある要因を回帰分析を使って分析しました。

 

その主要な結果として、多読の頻度と姿勢と関連した要因として、以下のように、2つを挙げています

  • From the multiple regression analysis, it seems that two factors have a determining influence since they were significantly correlated with both attitude and frequency. The first, relating to the habit of reading books in Italian, would seem to support the idea that the factors that apparently contribute to moulding a person into a `reader' in L1 can also be transferred into reading in a foreign language...  The strength of the second factor ('experience in the target language culture') can perhaps be explained in two ways.  (p. 147)

つまり、1つは、母語のイタリア語での読書で多くの楽しい時間を費やしていた学習者ほど、英語の多読を積極的に行う傾向が有意に高かったことを述べています。

そしてもう1つは、英語圏への特に勉強や仕事での滞在経験がある人ほど、多読も積極的に行ったということを報告しています。

 

私たちの文脈で分かりやすく言ってしまえば、日本語の読書を楽しんでいる人や、英語圏へ留学や仕事で行った経験のある人の方が、多読への取り組みが熱心(頻繁で、楽しんでいる)である傾向が有意に高い、ということに置き換えられることになります。

 

最後に

英語を上達させたいと思う方や、多読を頑張りたいと思う方はたくさんいらっしゃると思いますが、その中でも、人によって取り組みに差がありますよね。

そういった差を生じさせる要素として、今回は、母語での読書経と、英語圏での滞在経験ということが指摘された論文でした。

 

言われてみると、確かにと思える結果のような気もしますね。

 

関連した論文で、日本語での読書経験と、英語多読の取り組みの間の相関を調査した論文のTakase (2007)もありました。こちらも以下に再掲させていただきます。

研究をしても、なかなかはっきりとはわからないものなのですね。

erelc.hatenablog.com

 

ここで紹介した以上のことが知りたい場合には、ぜひ、論文を読んでみてくださいね。

 

今回は、イタリア人大学生を対象にして、多読の頻度と姿勢と相関のある要因に迫った論文のCamiciottoli (2001)のご紹介でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

ちょっとしたことでも心配になってしまう子どもに読んで あげたくなるような、優しくて、素敵な絵本『Silly Billy』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、イギリス人児童作家Anthony Browneさんによる、ちょっとしたことでも心配になってしまう子どもに読んであげたくなるような、優しくて、素敵な絵本をご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介させていただくのは、ケイト・グリーナウェイ賞など、多くの受賞歴のある、Anthony Browneさんが手掛けた、『Silly Billy』です。

 

YL 0.6~0.8程度 語数は339語です。

Silly Billy

Silly Billy

Amazon

 

本の内容のご紹介

この本の表紙に描かれている主人公のBillyはちょっと心配性な少年です。

特に寝る時には心配がたくさん押し寄せてきます。

その心配とは、帽子が心配になったり、靴が心配になったり、雲が心配になったり…といった、些細な事です。

 

他の人はあまり心配にならないことでも、Billyには心配になってしまうのです…

そんなBillyの気持ちに対して、お父さんもお母さんも優しく共感してくれるのですが、それでもBillyの心配が収まることはありませんでした…。

 

そんなある日、おばあちゃんの家で一晩過ごさなくてはなりませんでした

寝る時に心配になってしまったBillyは、その思いをおばあちゃんに伝えると、おばあちゃんは、ある素敵なきっかけを作ってくれます


そのきっかけとは何だったのでしょうか…?

 

ちょっとしたことでも心配になってしまう子どもに読んであげたくなるような、優しくて、素敵な絵本です。

 

もし気になれば、ぜひ、ご自身の目で確かめてみてくださいね!

 

最後に

この本は、『びくびくビリー』の邦題で和訳版も発売されていますので、合わせてご紹介させていただきます。

 

また、以前このブログでは、Anthony Browneさんの絵本をいくつか紹介したことがありますので、以下でご紹介させていただきます。まとめ記事もありますので、索引代わりに使用してください。

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading!!

アラスカの犬ぞりレースを舞台にした温かいお話 『Akiak: A Tale from the Iditarod』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、アラスカの犬ぞりレースを舞台にした温かい絵本、Akiak: A Tale From the Iditarod』をご紹介させていただきます。A School Library JournalのBest Book of the Yearに選出された絵本です。

 

 

本について

今回ご紹介するのは、アラスカで毎年3月に行われている、Iditarod Race(アイディタロッド・レース)という、犬ぞりレースを舞台にしたお話です。

アラスカのAnchorageからNomeまでの雪深い道なき道を、およそ1,151マイル(1,842キロほど)を、10日間ほどかけて駆け抜ける、それは過酷なレースです。

 

このレースのリード犬のAkiakを主人公にした、Akiak: A Tale From the Iditarod』です。文とイラストは、Robert J. Blakeさんが手がけた絵本です。

 

YL 2.6~3.0程度、語数は1,119語   Lexile: 590Lの本です。

  

本の内容のご紹介

リード犬のAkiakは10歳これまで出場したレースでは、5位、3位、2位という成績は収めているけれど、優勝は一度もありません。今回が年齢的にも最後になるレースです。犬そりの操縦士はMickが務めます

 

号砲と共に、58チームの過酷なレースが始まりました。

急な坂道や、危険な道が続くレースですが、Akiakは常に安全で速く辿り着ける道を見つけ出し、決して迷うこともなく、チームを率います。

 

レースは順調にスタートし、3日目には、前を走っていたWilly Ketchamのチームを抜き去り、3位に躍り出ますそして4日目には、Tall Tim Broonzyのチームを抜き、2位に躍進します

 

ところが、この4日目のことでした。Akiakに異変が生じたのは。深い雪を歩き続けてきた影響でAkiakは足を引きずっていたのです…操縦士のMickはAkiakをここでチームから切り離し、Roscoeをリード犬にしてレースを続けるという苦渋の決断をせざるを得ませんでした…

 

ところが5日目。スタッフがヘリコプターでAkiakを迎え入れようとしたのですが、Akiakは、はるか先を行くMickたちの後を追いかけます。そこには、人が見習わなければならないような強い意志がAkiakの中に満ちていたのでした…

そして、この後、爽やかで心に残る展開が…

 

このレースの行方がどうなったのか、気になる方は、是非お手に取って読んでみてくださいね過酷な犬ぞりを舞台にした、温かいお話です

 

最後に

このブログでは、これまでに英語の絵本を紹介しています。もしご関心がありましたら、ぜひどうぞ。

 

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

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