こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
6月ももう終わりですね。ということは、2021年も半分終わりですね。皆さんにとってどんな上半期でしたか?
今回は、2021年にケイト・グリーナウェイ賞を、2020年にキーツ賞(作家部門)を受賞した作品をご紹介させていただきます。
本について
今回ご紹介させていただくのは、Sydney Smithさんが手がけ、2021年にケイト・グリーナウェイ賞、2020年にキーツ賞に輝いた絵本『Small in the City』です。浮かない表情を浮かべた少年の顔が印象的な表紙ですね。
YL 0.8~1.0程度 語数は301語 Lexile: AD530Lです。
本の内容のご紹介
表紙に描かれた寂し気な男の子の横顔。表紙をめくると、文字のない数ページが続き、バスに乗っている男の子の表情が次第に読み取れるように焦点化されてお話が始まります。
バスを降りた男の子は、にぎやかな街を、他の人たちもそうであるように、無表情で歩いてゆきます。街の雑踏がコマ切れされた絵で描かれ、賑やかだけれども、まるで繋がりのない人同士という都会の人間関係を映し出したかのようです。
タクシーが行き交い、あちこちでサイレンが鳴り響き、建設工事の音はとめどなく聞こえてくる…。そんな忙しい街の中であっても、「君は大丈夫」と、心の声で誰かに語り掛けます。まるで、自分に言い聞かせるかのように…。
そして、「大きな犬のいる小道は通るのをやめた方がいい」とか、「隠れる場所はたくさんあるんだよ」とか、「通気口からの熱気の傍なら、お昼寝もできるよ」と、語り掛けていきます…。
日が暮れ、雪が降り始めたこの街を行く少年。その少年が語り掛けていた相手とは…?
最初は少年への語り掛けと思っていた言葉でしたが、それがある者に向けられていた言葉と分かったところで、もう一度読み返したくなるような、大人向けの、心を潤す、上質な絵本です。
もし気になれば、是非、読んでみてくださいね。
最後に
この本は、『この まちの どこかに』の邦題で和訳版も出版されていますので、合わせてご紹介させていただきます。
このブログでは、「ケイト・グリーナウェイ賞って何?」という記事とともに、いくつかのケイト・グリーナウェイ賞受賞作品をご紹介しています。もしご関心があれば、合わせてチェックしてみてくださいね♪
キーツ賞については、以下の記事で紹介しています。もしキーツ賞とは何かを知りたい方は、以下もどうぞ。
今回は、2021年にケイト・グリーナウェイ賞に輝いた、心を潤す、上質な絵本『Small in the City』を紹介させていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading!!