こんにちは。
今回は、イギリスで出版された絵本に授与される名誉ある賞、ケイト・グリーナウェイ賞に1994年に輝いた英語の絵本を一冊ご紹介させていただきます。
本について
今回ご紹介させていただくのは、オーストラリアご出身の作家のLibby Hathornさんが文を、Gregory Rogersさんがイラストを手掛けられた絵本、『WAY HOME』です。1994年にケイト・グリーナウェイ賞を受賞した名作です。
YL 2.6~3.0程度 語数は1,147語です。
本の内容のご紹介
表紙に描かれた、綺麗な夜の街の明かりが映る中で、背中を向け、何か寂しげに見える少年がこの本の主人公です。
Shaneと呼ばれる少年は、夜の街の路地裏で一匹の野良猫を見つけます。
犬の鳴き声にびっくりしてフェンスによじ登った小さな野良猫でした。
何かに怯え、夜になっても一人ぼっちで、自分を守るのに必死な野良猫でした。
どことなく自らと親近感を覚えたShaneは、その猫を上着の中に入れて、家に
連れて帰ることにしました。
しかし、帰る道すがら、細い道を通っていると、Shaneのことをよく思わないギャングに遭遇してしまい、走って逃げだします…。もちろん、猫も抱えて。
追いかけてくるギャングたちを必死に振り切り大きな道に出てきたところで、顔見知りの女性から声をかけられます。どうも、Shaneの生活もよく理解してくれている女性のようにも見えます。ここが絵本で、Shaneの笑顔の見られる唯一の場面です。
Shaneは、猫を抱えたまま、待ちの喧騒から離れ、細い道を抜けてゆきます…。
着いた先にあったものは…?
Shaneのことを、"the boy called Shane"と表現していることから、身寄りのない少年なのかもしれません。そして、名前のない猫を、Mycat, Catlegs, Kittycat, Whiskettes, Skinny Minnyなどと、その都度名前を変えて呼ぶのが印象的です。
まるで自分もそうであるかのように。
言葉で全てが語られているわけでなく、言外の情報を推測しながら読む必要があり、読者それぞれの意味づけが可能な絵本だと思います。
夜の暗闇と街の明かりの対比が、破られたページで断絶されるように描かれ、躍動感あふれるイラストです。
気になれば、ぜひチェックしてみてくださいね!
最後に
このブログでは、「ケイト・グリーナウェイ賞って何?」という記事とともに、いくつかのケイト・グリーナウェイ賞受賞作品をご紹介しています。もしご関心があれば、合わせてチェックしてみてくださいね♪
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading!!