こんにちは!
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、今を生きる私たちが知っておきたい、19世紀のアメリカの秘密結社、いわゆる「地下鉄道」の歴史について学べる英語読本をご紹介したいと思います。
本について
今回ご紹介する本は、Yona Zeldis McDonoughさんが文を、Lauren Mortimerさんがイラストを手掛けた英語読本、『What Was the Underground Railroad?』です。
元々は、アメリカの子ども向けに書かれた本ですが、日本でも多読用として人気のあるシリーズです。
YL 2.8~3.8程度 語数は8,603語 Lexile: 710L
シリーズ:What Was...の本です。
本の内容のご紹介
Underground Railroad(地下鉄道)―19世紀アメリカの黒人奴隷が、奴隷制が認められていた南部の州から、奴隷制の廃止されていた北部の州まで亡命することを手助けした秘密結社、あるいはそのルートのこと。
白人の主人たちにオークションで買われ、プランテーションでの作業や、家の掃除や、子どもの世話などで、一日中を厳しい労働に耐える。
主人たちの都合で、いとも簡単に配偶者や子どもと引き裂かれ、二度と会えなくなってしまう。
そんな生活を、南部の州では「制度」として認めていたのは、周知の事実ですね。
本書では、黒人奴隷が置かれていたこういった状況や、南部の州から北部の州へと亡命した人を中心に描いた、ノンフィクションの英語読本です。
具体的には、本書では、
- アフリカから強制連行され、手足を鎖につながれ、不衛生の環境で4~6週間をかけてアメリカに連れてこられたこと
- 船の中で病気が蔓延して多くの人が亡くなったこと
- アメリカに到着後は、オークションにかけられ、家族や子どもと引き離されたこと
- 主人から命令される仕事は、農園での仕事や、家事などがあり、主人の意にそぐわなければ鞭での体罰があったこと
- 奴隷の子どもは、生まれながら奴隷の身分となり、学校に通えなかったこと
- 1830年~1860年の間、毎年2,500人の奴隷がUnderground Railroadを利用して亡命したこと
- 1860年には400万人の奴隷がアメリカにいたこと
- 亡命した奴隷を捕まえる"slave catcher"もいて、年に600ドルもの報奨金を得ていた人もいたこと
- 捕まえられた奴隷はさらし台にさらされ、拷問を受けたこと
- 奴隷廃止論者が集うAmerican Anti-Slavery Societyが1833年に設立されたこと
- 奴隷反対論者や、亡命に成功した元奴隷などが、Underground Railroadで亡命者を手助けしたこと
- Underground Railroadに協力する家は、ランタンやキルトを目印にしていたこと
- Hariet Tubmanは何度も北部と南部を行き来して、300人以上の奴隷に自由を与えたこと
- Henry Brownは箱の中に入って、荷物に扮してフィラデルフィアまで亡命したこと
等々が書かれています。
現在に生きる私たちは、このような負の歴史を学び、二度と繰り返さないようにする責任があると思います。英語でアメリカの奴隷制度を学べるこの本は、英語学習だけにとどまらず、教養としても貴重な本ですね。
気になれば、是非、チェックしてみてくださいね!
最後に
Who Was...シリーズ、Where Is...シリーズ、What Was...シリーズとして、以下のまとめサイトや紹介した本があります。ご関心があれば、合わせてどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬