タドキストによる英語多読ブログ

1000万語以上の多読経験をもとに、多読の魅力を発信するブログです!本には魅力がいっぱい。英語の本を通して、人生を深く、豊かなものに。

開拓時代に島に暮らした生活を美しく描く、静かで芸術的なCooneyさんによる絵本、『Island Boy』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、アメリカ開拓時代に、自ら開拓した島での生活が、静かに、美しく描かれた絵本をご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介させていただくのは、Barbara Cooneyさん(1917-2000)が文とイラストを手掛けた絵本、『Island Boy』です。

 

YL 2.6~3.0程度 語数は2,130語  Lexile: AD890Lの本です。

Barbara Cooney

 

本の内容のご紹介

この本のタイトルになっていて表紙に描かれている"island boy"は、Matthaisという名前の少年

 

この本では、アメリカ開拓時代を背景にして、Matthaisを主人公に据えて、幼少期から晩年、死後までを描いています。その四季や時間の移ろいの表現やイラストは、ただただ美しいとしか言いようがありません

 

最初は名前もない島だった。

Matthaisの父親がこの島に移り、木を切り倒し、井戸を掘り、家を建てて住める環境を作ったのち、家族を呼び寄せ、この島は自分たちの名前をとってTibbetts Islandと呼ばれるようになった。

 

6人の男の子、6人の女の子の大所帯。その中の末っ子がMatthaisである。

父親は男の子たちに農耕や建築の知識を教えていく。兄たちからは子ども扱いをされていたMatthaisであったが、時間の経過とともに逞しく育っていく。

 

時間が経ち、子どもたちは一人、また一人と家を出て、自らの仕事や家庭を持っていく。最後に残ったMatthaisも例外ではなく、島の外に興味をもち、船乗りに乗って島を出ていく日がやってきた。

 

都市部での仕事をして15年ほど経過した後。

島への気持ちを忘れられず、結婚相手となるHannahとともに島に帰る。父から教えてもらったことを生かし、島での生活を盤石にしながら3人の娘に恵まれた。

 

時間が経過し、娘たちも成長し、結婚して家庭を持つ。

MatthaisとHannahはこの島に残って生活を続けるが、しばらくして都市部からの人がこの島の美しさに気づき始める。Hannahは、この島を売ってお金を得たらどうか、と提案するが、Matthaisは…。

 

島を開拓し、島を愛し、島で人生を終える。

そんな"island boy"の人生が、時の移ろいとともに、実に美しく描かれた一冊です。

とっても上質な絵本です。

 

もし気になれば、チェックしてみてくださいね!

 

最後に

この本のイラストを手掛けたBarbara Cooneyさんの本として、他にも以下の本をご紹介したことがあります。ご関心があれば、合わせてどうぞ!

erelc.hatenablog.com

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erelc.hatenablog.com

 

このブログでは、これまでたくさんの多読図書や絵本をご紹介してきました。

以下の検索ボックスにキーワードを入れれば検索できます。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading!!

家族を思い合う気持ちが温かく、心地よいコールデコットオナー賞作品、『A Chair for My Mother』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、本の世界の中に入って楽しめる絶対おススメのコールデコットオナー賞作品をご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介する絵本は、カリフォルニア出身の児童作家、イラストレーターのVera B. Williamsさん (1927 – 2015) による代表作の絵本、『A Chair for My Mother』です。

1983年のコールデコット・オナー賞(その年のアメリカの優秀絵本賞)を受賞した作品です。

 

YL 1.4~1.8程度  語数は1,068語の本です。

Vera B. Williams

 

本の内容のご紹介

この本の主人公、女の子の一人称で書かれたお話です。

 

女の子のお母さんは、食堂で働いて家族の生計を立てていました

女の子も学校が終わった後に時々この食堂に立ち寄り、そんな時は店長の計らいで、お店のお手伝いをさせてもらい、終わった後には店長が少しお小遣いをくれたのでした。

 

女の子は、もらったお金を使うのではなく、大きな瓶に入れて貯金をしていたのです。

なぜなら、瓶いっぱいにお金を貯めた時には、お母さんのために、とっても素敵な椅子を買ってあげようと計画していたのです。

 

実は、この家族の家は1年前に火事に遭ってしまい、家の物がほとんど焼けてなくなってしまったのです…。

 

お母さんも、お客さんからもらったチップを瓶に入れたり、おばあちゃんも特売品を買ってお金を節約できた時には、この瓶にお金を入れたりして、みんなで瓶いっぱいにお金が貯まることを待っています…


この後、素敵な展開が待っていますので、是非ご自分でお楽しみください。

 

この絵本にはお父さんの姿は出てきません。おそらく、お母さんが女手一つで家族を支えているのだと思われます。

そんな懸命に働くお母さんを思う女の子の気持ちが、この本をとっても温かいものにしてくれます。

 

もし気になれば、是非、チェックしてみてくださいね!

 

最後に

この本には、『かあさんのいす』の邦題で和訳版も刊行されていますので、合わせてご紹介させていただきます。

 

この本の作者のVera B. Williamsさんの作品として、以下の作品もご紹介したことがありますので、ご関心があれば合わせてどうぞ!

erelc.hatenablog.com

 

この絵本は、コールデコット・オナー賞を受賞した絵本ですが、その他にも、コールデコット賞作品の紹介をしたまとめ記事が以下ですので、よろしければ合わせて覗いていただけると嬉しいです。

他のコールデコット・オナー賞作品の何作品かも合わせてリンクを貼っておきます。

erelc.hatenablog.co

 

erelc.hatenablog.com

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最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

多くの人に届いてほしい、ニューヨークで起こった心温まる実話の絵本、『Our Subway Baby』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、多くの人に届いてほしい、ニューヨークで起こったとっても素敵な心温まる実話の絵本をご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介させていただくのは、この本で書かれている出来事の当事者であるPeter Mercurioさんが文を、Leo Espinosaさんがイラストを手掛けた絵本、『Our Subway Baby』です。

 

YL 1.6~2.0程度 語数は1,142語  Lexile: AD630Lの本です。

Peter Mercurio

 

本の内容のご紹介

8月のある日。

ニューヨークの地下鉄の駅の片隅で放置されていた赤ちゃんを見つけたDanny。

最初は人形だと思ったが、それはおくるみに包まれた新生児だった。

 

驚きのあまり一瞬、時が止まったDannyだったが、すぐに警察に電話をするとともに、同居するパートナーのPeterにすぐに来るように連絡した

Peterは急いで駅に向かい、最初に赤ちゃんを見たのは、警察に抱っこされている時だった

 

Dannyはその日以降、赤ちゃんのことが気になり、入院先の病院に行ったが、家族でないと面会できないと会うことを断られてしまう。

 

この一連のことはニュースにも取り上げられ、裁判官のCooperの耳にも届いていた

そしてDannyを裁判所に呼び、養子として引き取ることの提案をした。

父親が2人となる特殊な環境での養子という提案に戸惑うDannyに対し、Cooperは、"Where there is love, anything is possible."と優しく背中を押したのだった…

 

DannyとPeterは養子として引き取る覚悟を確かめるために、施設にいる赤ちゃんに会いに行く。そこで赤ちゃんは、2人の腕に包まれて、指をしっかりと握り、しっかりと見つめたのだった

 

2人は決心した。

この子を養子に取ろうと―。

そして、愛情いっぱいに育てようと―。

 

 

この本は、Peterの1人称で書かれ、赤ちゃんに"you"で語り掛ける体裁で書かれています。

この赤ちゃんは、現在青年へと立派に成長しています。青年となった息子への何よりのかけがえのない心温まる贈り物としての絵本です

そんな温かい実話を私たちも共有させてもらえる、素敵な絵本です。

多くの人に届けばいいな、と感じさせられる、自信を持ってお薦めできる一冊です!

 

もし気になれば、チェックしてみてくださいね!

 

最後に

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多様性への寛容―70年代にメッセージとして伝えた絵本、『William’s Doll』のご紹介

こんにちは!

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今でこそ多様性を認めることは国際的にも認知されてきた感じがありますが、1970年代といえばまだまだそのような雰囲気は薄かったと思います。

「男(女)は~でなければならない」

といった価値観が強かった中で、多様性への寛容をメッセージとして伝えた絵本を今回はご紹介させていただきます。

 

 

本について

今回ご紹介させていただくのは、Charlotte Zolotowさんが文を、William Pene du Boisさんがイラストを手掛けた、『William's Doll』です。

 

YL 1.0~1.4程度 語数は573語  Lexile: 840Lの本です。

Charlotte Zolotow

 

本の内容のご紹介

男の子のWilliamが欲しいおもちゃはお人形だった。

 

お人形がないので、お人形を想像してだっこしてあげたり、ゆらゆらしてあげたり、お水をあげたり、公園に連れて行ってあげたり、お着換えしてあげたり、寝かしつけてあげたりして遊んでいた。

 

そんなWilliamを見て、兄ちゃんは"creep"と言ってくるし、近所のお友だちは"Sissy"と言ってくる

 

お父さんはWilliamに外で遊ぶ子になってほしいから、「バスケットボールなんかどうだ?」などと声をかけてくる

そして、実際にバスケットボールをプレゼントしてくれた。

Williamはバスケットが嫌いではないし、やっていくうちに上手にもなった。

 

でも、Williamがもっと欲しいのは、やっぱりお人形だった。

青い目をした、くるっとしたまつ毛をした、白い洋服と帽子を被った、そして目をつむるとカチっと音のなるお人形だ。

 

そんなある日、おばあちゃんがWilliamの家にやってきた。

そして、おばあちゃんはWilliamの話をよく聞いてくれて、分かってくれたのだ…。

 

人から言われるのが辛いからでしょうか。

Williamが伏し目がちで描かれているのが切なくなってしまいます。

1972年の刊行のこの絵本で、すでに多様性への寛容を描いたことが素敵だと感じます。

 

とっても素敵な絵本です。

もし気になれば、チェックしてみてくださいね!

 

最後に

この本には、『ぼくは赤ちゃんがほしいの』の邦題で和訳版もかんこうされていますので、合わせてご紹介させていただきます。

 

Charlotte Zolotowさんの本として、これまで以下の本もご紹介したことがありますので、ご関心があれば合わせてどうぞ!

erelc.hatenablog.com

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最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading!!

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