こんにちは。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、TOEFLスコアと、英語での読書経験との相関を示唆した論文、Constantino et al. (1997)をご紹介したいと思います。
論文のデータ
今回ご紹介するのは、以下の論文です。100編以上の論文などで引用されています。
Constantino, R., Lee, S-Y., Cho, K-S., & Krashen, S. (1997). Free voluntary reading as a predictor of TOEFL scores. Applied Language Learning, 8(1), 111-118.
論文の内容のご紹介
この研究の参加者は、アメリカの大学で学ぶ43人(男性26人、女性17人)の留学生(韓国、中国、台湾、サウジアラビア、インド、ウクライナ、スイス、スペイン、日本、インドネシア、タイ、レバノン、香港出身)で、全員TOEFLテストの受験経験があります。
この研究では、この参加者に対して、13項目からなるアンケート調査(10分以内で終わる程度の分量)を行いました。
このアンケートは、TOEFLスコアと、以下の4つの関係について調査をする目的のものです。
アンケート結果に対して、相関分析や回帰分析を行い、出した結論としては、以下のことが述べられています。
- Table 2 indicates that TOEFL scores were correlated with amount of English study done in the home country (r=.367), the composite measure of free reading (r=.39), and the number of books read (r=.447) (p. 112)
つまり、TOEFLスコアと相関の高かったのは、母国での英語学習期間、多読に関する複合的な指標、読書冊数だったということです。
ただし、以下の記述にあるように、母語での読書習慣とTOEFLスコアの相関はなかったということです。つまり、英語での読書習慣がTOEFLスコアとの相関が高い要因として述べられています。
- Reading in the L1 was not a predictor of TOEFL scores. (p. 117)
この結果を持って、Krashen先生が以前から述べている、読書による大量の理解可能なインプットが重要だとする主張が支持されたとまとめています。
最後に
この論文は非常に短く、以下のようなことが書かれていなく、気になりました。
- TOEFLのスコアはいつ受験したものかが書かれていないこと
- TOEFLスコアのトータルだけでなくて、分野(リーディング、リスニングなど)ごとのスコアが書かれていないこと
- 読んだ本がどのようなものかについては何も記述がないこと
ただ、TOEFLスコアと読書習慣との関係を調査した数少ない研究として、貴重なものだとは思いました。
ちなみに、今回の著者のStephen Krashen先生の論文については、これまでいくつか紹介した記事もありますので、以下に再掲させていただきます。
ご関心があれば、合わせてチェックしてみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬