タドキストによる英語多読ブログ

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週に20分程度の多読を半期間行うことがTOEICスコアに効果的であることを示唆した論文、Goto (2021)のご紹介

こんにちは。

お立ち寄りいただき、ありがとうございます。

 

今回は、週に20分程度の多読を半期間行うことがTOEICスコアに効果的であることを示唆した論文、Goto (2021)をご紹介させていただきます。

 

 

論文のデータ

今回ご紹介するのは、以下の論文です。

Goto, T. (2021). The effect of 20-munite extensive reading activities on TOEIC IP scores. The Reading Matrix, 21(2), 145-152. 

http://www.readingmatrix.com/files/25-1fnxpek5.pdf

 

論文の内容のご紹介

この研究の研究課題は、以下の通りです。

  • a particular research question is the following: “In a semester, is there a significant difference between the TOEIC IP scores from a 20-minute extensive reading class and those from a control class without extensive reading?” (p. 146)

つまり、20分間の多読を1セメスター(15週間)行った場合、多読を行わなかった場合と比較して、TOEICスコアで顕著な差があるのか、という研究課題です。

 

この研究の参加者は、日本の大学に通う1年生の学生さんです。

その学生のうち、以下の2クラスが対象になり、指導は以下のように異なりました。

  • Aクラス(30名):半期間(15週間)、週に1回の授業のうち20分程度を多読に当てる。多読用図書は図書館から借りさせ、授業外でも多読をするように奨励される。
  • Bクラス(32名)半期間の授業で、多読指導は受けず、TOEICの文法やリスニングに特化したテキストを使った指導を受ける。

 

この指導の結果、Aクラスは平均で38,000語ほどの英語を読みました。

 

この指導の差を、学期末に行ったTOEICのトータルスコアで検証しました。

その結果は、以下のように報告されています。

  •  With regard to the TOEIC IP scores, the average in Class A was 468.5 points with the maximum at 615 points and the minimum at 325 points. The figure for Class B was 416.6 points(rounded-off to the first decimal place)with the maximum at 595 points and the minimum coming to 265 points. After the confirmation of homoscedasticity by an F-test, a t-test was conducted, which showed the following significant difference between the TOEIC IP scores of Class A and those of Class B: t (60) = -2.46, p < 0.05. (p. 148)

つまり、AクラスのTOEIC平均は468.5点で、Bクラスの平均は416.6点で、Aクラスの結果は、Bクラスの結果よりも有意に良かったということです。

 

ただし、以下のような注釈を添えています。

  •  many word counts did not always guarantee high TOEIC IP scores. For instance, the student who read only 582 words obtained 580 points in the TOEIC IP; notably, the student who read 108,242 words obtained just 415 points.  (p. 149)

つまり、多読で読んだ語数と、TOEICスコアの間で相関は弱かったということです。そうなると、「何がTOEICのスコアを上げたのか」が分かりにくい気もします。

 

ここから、以下のようにまとめています。

  • this study demonstrated that the effects of extensive reading can be realized even without much reading volume. (p. 151)
  • The answer to this question was there was a significant difference between the TOEIC IP scores of a 20-minute extensive reading class and those of a control class without extensive reading in the semester. (p. 151)

つまり、比較的短い期間で、少ない読語量でも、TOEICスコアの向上に有効だと結論づけています。

 

ただ、この論文を読んでいて、

  • 多読開始前の英語力が分からないこと(伸びが分からないこと)
  • そうすると、最初からこの2つのグループで英語力に差があった可能性もあること

が気になりました。

 

最後に

今回は、週に20分程度の多読を半期間行うことがTOEICスコアに効果的であることを示唆した論文、Goto (2021)を紹介させていただきました。

もし詳細が気になれば、ぜひ、論文を読んでみてくださいね!

 

なお、このブログでは、多読に関連する研究論文の内容をご紹介したまとめ記事がありますので、よろしければ、参照用としてどうぞ。

erelc.hatenablog.com

 

また、多読がTOEICに与える影響について研究した論文については、以下の記事でもご紹介しています。

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

erelc.hatenablog.com

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

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