こんにちは。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、スペイン語の文法習得と一番相関が強かったのが自主的な読書量であることを示した論文、Stokes, Krashen, & Kartchner (1998)をご紹介したいと思います。
論文のデータ
今回ご紹介するのは、以下の論文です。70編以上の論文などで引用されています。
Stokes, J., Krashen, S., & Kartchiner, J. (1998). Factors in the acquisition of the present subjunctive in Spanish: The role of reading and study. International Journal of Applied Linguistics, 121-122, 19-25.
論文の内容のご紹介
この研究の参加者は、59名のスペイン語を学ぶ大学生です。
この学生さんたちを対象に、スペイン語の仮定法の習得度合いと関連のある要因を探った研究です。
研究方法は、参加者たちにインタビュー形式で、文の最初のみを先生が言って(例えば、"Siempre estudio cuando...")、残りの文を言うように指示するという方法が取られました。
そして、このインタビューにおいて仮定法が正しく使われているかという点と、以下の4点の間で、相関の高い要因を探究しました。
そして、結果として、以下のことが報告されています。
- Multiple regression analysis showed that free reading was the best predictor of performance on the subjunctive test, reaching the .10 level of significance. (p. 22)
つまり、仮定法テストの正答割合を最も強く予想する因子は、スペイン語での自主的読書だと述べています。
さらに、このインタビューにおいて、「仮定法のテストである」と気づいた学生2名、そうではないかと勘づいた7名、質問に回答をしなかった1名を除き、49名の学生を対象に同じ分析をしたところ、自主読書と仮定法習得の相関がさらに高まったことを、以下のように述べています。
- ... the regression coefficient for reading was statistically significant, and the gap in effect sizes between the two predictors (betas) was much wider. (p. 24)
最後に
スペイン語を外国語として学ぶ学生さんを対象にした研究ですが、自主的に読む量は、スペイン語滞在期間や、スペイン語学習期間や、仮定法の指導度合いと比較して、スペイン語の仮定法の習得との関連性が高いことを示唆した論文でした。
特に、この研究のように、インタビュー形式で、その場で話させるような方法(じっくりと考えて書かせるのではなく)だと、普段から外国語に接している人が強いようにも思いますね。
今回の著者のStephen Krashen先生の論文については、これまでいくつか紹介した記事もありますので、以下に再掲させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬