こんにちは。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
以前、このブログの以下の記事で、同じトピック、あるいは同じ著者による英文に限定して聞く"narrow listening"をご紹介させていただきました。
例えば、「英語学習」や、「私の家族」など、特定のトピックを決めて、そのトピックに関連した本や英文を聞くことをナロー・リスニングと言いますが、対象を絞って聞くことで、様々な効果があることが報告されています。
今回は、ナロー・リスニングを実践して、その効果を報告した論文、Dupuy (1999)をご紹介させていただきます。
論文のデータ
今回ご紹介するのは、以下の論文です。すでに100編程度の論文などに引用されているる論文です。
Dupuy, B.C. (1999). Narrow listening: An alternative way to develop and enhance listening comprehension in the students of French as a foreign language. System, 27, 351-361.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0346251X99000305?via%3Dihub
論文の内容のご紹介
この論文は、ナロー・リスニングを実践し、アンケート調査を通して学生から効果的であったことを報告しています。
この研究の参加者は、フランス語を学ぶアメリカの大学生255人(1期目:50名、2期目:75名、3期目:125名、4期目:7名)です。
この学生を対象に、ナロー・リスニングを実践しました。
具体的には、「旅行・食べ物・家・環境・メディア・音楽・本」というトピックについて、フランス語母語話者に、1~2分間、カジュアルに話してもらうことでテープを作成しました。
このナロー・リスニングのプログラムは単位が付与されるものではなく、参加するかどうかは参加者に委ねられ、学習量や学習頻度も参加者に委ねられました。
そして、テープを返却するごとにアンケートに回答してもらい、その結果を分析して、参加者のナロー・リスニングに対する反応を調査しました。
その主たる結果としては、以下のように書かれています。
- An overwhelming majority of students, both at the beginning (first and second semester) and intermediate (third and fourth semester) levels reported finding
Narrow Listening helpful in improving their French. Repeated focused listening, self-selection, and topic familiarity helped make the input comprehensible for students at both levels. (pp. 353-354)
つまり、大多数の参加者が、ナロー・リスニングはフランス語力向上のために有用だと報告したということです。そして、自分で親しみのあるトピックを選んで繰り返し聞いたことで、リスニング内容が理解可能なものになったと述べています。
より具体的には、以下のように書かれています。
- Students who found Narrow Listening helpful reported that it was most helpful
for first improving listening comprehension, second fluency and third developing vocabulary. (p. 354)
つまり、ナロー・リスニングは、聴解力向上、流暢性、語彙力向上に効果的だったとのことです。
最後に
今回は、narrow listeningを実践し、学生から効果的だと評価されたことを報告した論文、Dupuy (1999)を紹介させていただきました。
もし詳細が気になれば、ぜひ、論文を読んでみてくださいね!
なお、このブログでは、多読に関連する研究論文の内容をご紹介したまとめ記事がありますので、よろしければ、参照用としてどうぞ。
また、今回の著者のDupuy先生の論文については、これまでいくつか紹介した記事もありますので、以下に再掲させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬