こんにちは。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
今回は、たくさん英語を読み、聞くことで、大幅にTOEICスコアが向上した日本人の社会人を報告した論文、Mason (2011)をご紹介したいと思います。
論文のデータ
今回ご紹介するのは、以下の論文です。40編程度の論文などで引用されています。
Mason, B. (2011). Impressive gains on the TOEIC after one year of comprehensible input with no output or grammar study. The International Journal of Foreign Language Teaching, 7(1), 1-5.
論文の内容のご紹介
この研究の参加者は、田中さんという42歳の男性です。
この筆者のMason先生の個人的な生徒のお父さんという関係で知り合い、多読について紹介を受けて、興味をもって始めた方です。
この論文は、田中さんの多読状況と、TOEICスコアの変遷を紹介したものです。
まず、田中さんは、専門学校を卒業後、約20年間は英語学習をしていなかったという状況が説明されています。
そんな田中さんが多読に取り組み始め、以下のように取り組みました。
- 2008年7月~2010年7月までの約2年間、1万ページ以上の英語を読みました。
- 読んだ本は、MacmillanやPenguinやOxfordから出版されているGraded Readerが中心ですが、ヤングアダルト向けの本なども読みました。
そして、TOEICを2009年1月、2010年1月の2回受けて、その結果は、以下のようだったと報告されています。
- 2009年1月(多読を始めて6カ月で、2,590ページ分、132時間かけて読む)では、TOEIC475点(L255点、R220点)
- 2010年1月(多読を始めて18カ月で、6,456ページ分、217時間かけて読む)では、TOEIC655点(L330点、R325点)
そして、以下のように結論を述べています。
- From reading and listening, he not only gained 180 points on the TOEIC, but he learned to read books and to like reading in English. (p. 4)
つまり、英語をたくさん読み、聞くことでTOEICのスコアが1年で180点上がっただけでなく、英語を読むことが好きになったと述べています。
最後に
1人の事例ではありますが、たくさん読み、聞くことで、TOEICスコアの伸長に効果的だったという報告は、日本人にとって参考になりますね。
ただ、それにしても、2年間で10,000ページを読むということもすごいです!その努力に裏打ちされた結果でもありますね。
ちなみに、Mason先生の論文は、以前にも以下の記事でご紹介しています。ご関心があれば、合わせてチェックしてみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬