タドキストによる英語多読ブログ

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Foundations Reading Libraryシリーズの魅力に2つの側面から迫った論文McLean (2014)のご紹介♪

こんにちは♪

 

このブログでは、以前、日本人にとても人気の高いGraded Readersのシリーズの一つ、Foundations Reading Library (FRL)シリーズについてご紹介させていただきました。

とっても読みやすい英語で書かれた、高校生を主人公にした、快読できる、お薦めのGraded Readersのシリーズです

erelc.hatenablog.com

 

今回ご紹介させていただくのは、このFRLシリーズが日本人の英語学習者にとって適したシリーズかを学術的に評価した研究論文のMcLean (2014)です。

 

 

 

論文のデータ

今回ご紹介する論文は、以下のものです。著者のStuart McLean先生は、現在、桃山学院大学にご勤務されている先生で、多読に関する多くの研究論文をこれまで発表されてきています。

McLean, S. (2014). Evaluation of the cognitive and affective advantages of the Foundations Reading Library series. Journal of Extensive Reading, 2, 1-12.  

https://jalt-publications.org/content/index.php/jer/article/view/5

 

 

論文の内容のご紹介

この論文では、FRLシリーズが日本人の大学生に適したシリーズかどうかを、認知的な(cognitive)側面と、情意的な(affective)側面から分析しています。

 

具体的には、多くの先行研究をベースにして、認知的な側面として以下の観点からFRLシリーズを分析しています。

  • Books must be highly comprehensible(本は理解が容易なものでなくてはならない)
  • Dual coding(二重符号化理論)
  • Generative use(様々な文脈で使われる様々な使い方)

 

情意的な側面としては、以下の観点から分析を行っています。

  • Reading material at an appropriate level(適切なレベルでの読解素材)
  • Interesting material(面白い素材)
  • GRs supporting reading(理解や読解を支援する工夫)

 

そして、語彙のレベルや繰り返しの使用などを分析した重要な結果として、以下のことを示しています。

Considering the expected English vocabulary size of the students in question (around 2300 words), and the fact that 98% of the tokens from the Foundations Reading Library series are from the 2000 most frequent words of written English, this writer concludes that the Foundations Reading Library is highly comprehensible for the target students.  (p. 9)

つまり、本人の大学生(平均の語彙サイズが2,300語程度)にとって、FRLシリーズでは98%の語彙が2,000語レベルで書かれていることを考えると、とても理解が容易なシリーズだということです。

 

この読みやすさに加えて、FRLシリーズは日本人大学生に人気が高いシリーズであることや、Before You Readのセクションで語彙の補助をしていることイラストが全ページにあること朗読のCDも付属していることなどを、データや先行研究をもとに示しながら、結論としては、以下のように締めくくっています。

  • This paper recommends the Foundations Reading Library for university students who have no or limited experience of L2 English ER: that is, most Japanese university students.  (p. 10)
  • In conclusion, the Foundations Reading Library is cognitively and affectively appropriate for Japanese university students with limited L2 English ER experience.  (p. 11)

つまり、認知面、情意面どちらの側面から見ても、日本人の大学生(そのほとんどが多読経験がない、あるいは少ない)にとって、適切なシリーズであるとまとめています。

 

 

最後に

FRLシリーズは本当に読みやすくて、多読用として素晴らしいシリーズだと個人的に感じていましたが、この論文のように学術的にも分析していただくと、何かお墨付きを得た感じがしますね♪ しかも、日本人大学生という、日本人の英語学習という視点から分析していただいのが嬉しいですね~。

 

ただ、「英語の読みやすさ」というのは、英語のネイティブの方よりも、日本人の方がよく分かるはずですよね。日本人の研究者から、このような研究が発表されることを期待したいと思います♪

 

以下にFRLシリーズのLevel 6の本を一冊ご紹介いたしますので、もしご関心があれば、実際に読まれてみてはいかがでしょうか?

 FRL6 Does He Love Me?   YL 1.1-1.3 2,633

Does He Love Me? (Foundations Reading Library, Level 6)

Does He Love Me? (Foundations Reading Library, Level 6)

 

 

また、McLean先生の論文として、Waring & McLean (2015)もご紹介させていただきました。ご関心があれば、合わせてチェックしてみてくださいね♪

erelc.hatenablog.com

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、Happy Reading♬

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