こんにちは♪
5月も4週目が始まりましたね。すでに梅雨入りした地域もあるとのことですが、今週も笑顔で過ごしていきたいですね♪
このブログでは、以前、1939年に横浜で生まれてから13歳まで日本で過ごし、その後アメリカに渡った絵本作家Allen Sayさん(コールデコット賞受賞作家でいらっしゃいます)の絵本として、『The Boy of the Three-Year Nap』と、『Tree of Cranes』をご紹介させていただきました。今回も、Allen Sayさんの絵本をご紹介させていただきます。
本について
今回ご紹介するのは、『Tea with Milk』です。
YL 2.0~2.5程度 語数 1,910語 Lexile: AD630Lの絵本です。
本の内容のご紹介
この本の主人公Masakoは、日本人の両親を持ちながらアメリカのサンフランシスコで生まれ育ちました。家では"Ma-chan"と呼ばれて両親と日本語で話し、ごはんとみそ汁が主な食事です。一方、家の外では、"May"と呼ばれて友人と英語で話し、パンケーキやマフィンを砂糖とミルクの入った紅茶と一緒に楽しむ生活でした。
Masakoは、アメリカで高校を卒業し、その後はアメリカの大学に進学したいと考えていました。しかし、両親は日本に戻りたいと考え、Masakoのルーツではあるけれども、「異国」である日本での生活が始まりました。
時代は今から100年ほど前の日本。当時の帰国市場は相当に珍しい存在だったでしょうし、理解してくれる人も少なかったことでしょう。
Masakoは、もう一度入らなければならなかった日本の高校で「外人」呼ばわりされて、好奇の目にさらされてしまいます。それに、英語の先生を含め、誰も英語で話してくれませんでした・・・。
家では、窮屈な着物を着せられ、Masakoにとっては興味の湧かない茶道に華道に書道を学ばなくてはならず、しかもそれらは将来いい旦那さんと結婚するためだというのです。実際、結婚相手として銀行の御曹司とのお見合いもセッティングされてしまいます・・・。アメリカで育ったMasakoには、この感覚は受け入れがたいものでした。
Masakoは、もっと勉強したいと思っていたし、車にも乗りたいと思っていたし、そう、アメリカの女性のようにもっと自由に生きたかったのです。窮屈な日々に我慢の限界にきたMasakoは、単身大阪に出ます。久しぶりにふれる喧騒で少し落ち着きを取り戻したMasakoは、デパートで働き始めます。
そしてそこで、Masakoを"May"と再び呼んでくれ、砂糖とミルク入りの紅茶を一緒に楽しめる人との出会いが待っていたのです・・・。
しかも、この本のMasakoさん、実は著者の・・・。
この続きは、ぜひぜひ、ご自身でお楽しみいただければと思います♪
繊細にMasakoの気持ちを描写しきった文、当時の日本の風景をそのまま描き出したかのような素晴らしいイラストが心に残ります。
最後の方に書かれている、"home isn't a place or a building that's ready-made and waiting for you, in America or anywhere else."という言葉。
ずしっと心に響きました。
ぜひ、繊細なイラストと、心打たれるお話の中で味わってみてくださいね♪
なお、Allen Sayさんの生涯や、まとめ記事は、以下からアクセスできます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬