こんにちは♪
英語学習者用に語彙をグレードごとに制限して書かれたGraded Readers(GR)。前回の下の記事では、GRの中でも特に易しい語彙を上手に使うことで読みやすい英語で書かれている、お薦めのFoundations Reading Library(FRL)シリーズをご紹介しました。易しい英語で書かれていると、多くの分量の英語を気軽に読むことができますね。この気軽さ、平易さが、多読を実現してくれます。
このFRLシリーズは7レベルあり、各レベルに6冊ずつあります。難易度としては、Level 1のYL 0.6からLevel 7のYL 1.3まであります。これをすべて読めば63,000語程度の分量になります。『英語多読完全ブックガイド[改訂第4版]』(古川昭夫・神田みなみ他)によれば、中学、高校の6年間の教科書の英文量が30,000語程度であるとのことなので、FRLだけでもまずまずの英文量になりますよね。
CPTシリーズ紹介
このFRLが気に入った方で、「FRLのLevel 7では物足りないな~」と感じる方にお薦めなのが、今回ご紹介するCengage Page Turners(CPT)シリーズ。なぜFRLの次のシリーズとしてご紹介するかというと、FRLで著者を務めた、世界的な多読研究者のノートルダム清心女子大学教授のRob Waring先生がCPTでは監修を務めているからです。きっと、FRLとCPTの間にどことなく似た雰囲気を感じると思います♪
それに、高校生が主人公として登場したFRLに対し、大学生や一般の大人が主人公になり、内容的にも少し大人になったCPTは、FRLからの接続もスムーズだと思います。12段階と非常に細かくグレート分けされたシリーズです。
CPTシリーズのレベルとYL
CPTのレベルとYLは以下のようになっています。
Level 1 200語レベル YL 1.2
Level 2 300語レベル YL 1.4
Level 3 400語レベル YL 1.8
Level 4 550語レベル YL 2.0
Level 5 700語レベル YL 2.4~2.6
Level 6 900語レベル YL 2.6~2.8
Level 7 1,100語レベル YL 2.8~3.0
Level 8 1,300語レベル YL 3.2~3.4
Level 9 1,600語レベル YL 3.6~3.8
Level 10 1,900語レベル YL 4.0~4.2
Level 11 2,200語レベル YL 4.4~4.6
Level 12 2,600語レベル YL 4.8~5.0
英文量が分かるように、CPTシリーズの各レベルから1冊ずつご紹介します。
Level 1 Roommates YL 1.2 4,217語
Level 2 Hacker YL 1.4 4,009語
Level 3 The Angeles YL 1.8 4,274語
Level 4 Bigfoot YL 2.0 5,404語
Level 5 The Secret Beach YL 2.4 6,401語
Level 6 The Picture in the Attic YL 2.6 9,373語
Level 7 Dead Before Midnight YL 2.9 8,575語
Dead Before Midnight (Page Turners, Level 7)
- 作者:Pollack, Pamela,Belviso, Meg
- 発売日: 2010/10/28
- メディア: ペーパーバック
Level 8 The Man from the Sky YL 3.3 9.543語
Page Turners Level 8 Headwords 1300 : The Man From the Sky (Page Turners Reading Library, Level 8)
- 作者:Thomlinson, Julian
- 発売日: 2014/01/15
- メディア: ペーパーバック
Level 9 Bad Blood YL 3.7 15,141語
Level 10 Samurai YL 4.1 16,588語
Level 11 Battle for Big Tree Country YL 4.6 16,263語
Level 12 Oscar's Journery YL 4.9 18,039語
このように、丁寧にレベル分けされて、徐々に英語の階段を登れるように配慮されています。すべてのCPTシリーズの本を読めば、46万語程度の分量になりますので、このシリーズが気に入れば100万語多読に一気に近づきますね♪
お話は全て書下ろしで、どれもよく練られていて、楽しめます。
CPTシリーズの音声
それと、もう一つ、このCPTシリーズの魅力は、音声データをウエブ上から無料でダウンロードできること。つまり、易しく書かれた英語をたくさん聴ける、多聴用として利用できる嬉しいシリーズなのです♪ ダウンロードできるURLは、以下のものです。
http://ngl.cengage.com/pageturners
ちょっとわかりにくいのですが、各タイトルのStudent Companion Siteにてダウンロード可能です。とにかく、無料といわれると、嬉しくなってしまいますね!
例として、上でご紹介したRoomatesの音声は、以下のURLから聴くことができますので、ぜひぜひ、チェックしてみてください♪
いわゆるnatural speedで読まれて、英語に耳を慣らすのにちょうどいいですよね。本で書かれているのは200語レベルの易しい英語。もちろん、CNNやBBCに挑戦するのもいいですが、まずは易しくて分かりやすいCPTシリーズの英語46万語分すべてで聴けば結構力がつくと感じませんか?
ただ、このスピードで理解していくというのは、結構難しく感じた方も多いかもしれません。もし、「難しい~」と感じた方は、まずはFRLなど、気軽に読めるシリーズから始めることをお薦めします。自分の英語力や趣向に応じて、自分の好きなように読んでいくのが多読の魅力ですからね♪
英語多読研究でよく引用されるStephen Krashen博士によれば、「理解可能なインプット」(comprehensible input)をできるだけ多く浴びることが重要とのことです。逆説的にいえば、理解不可能だと、インプット効果が落ちてしまうというわけです。
今回は、CPTシリーズのご紹介でした。
このブログでは、OBWシリーズと、Atama-ii Books(ATM)シリーズ、Cambridge English Readers(CER)シリーズについて紹介した記事もあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、Happy Reading♬